今回は神棚について説明させていただきます。
2021/05/20
今回は神棚について説明させていただきます。
自宅や勤め先に神棚はありますか?
最近の新しい家では設置していないところも多くあるかもしれませんが、神棚は何のためにあるのでしょうか。
また、設置する場合はどのようにすればよいのでしょうか。
この記事では、神棚について詳しく解説いたします。
神棚の歴史
神棚とは「神道」の神様を祀るためのものです。
神道とは日本に古くから存在する宗教で、自然や自然現象、人や八百万(やおよろず)の神などさまざまな神様を祀っています。
神棚の最古の記述は『古事記』に見られますが、一般家庭に普及していったのは江戸時代だと言われています。
伊勢神宮や富士参りが観光として広まる中で、「御師」と呼ばれる旅行案内人が、全国にお札を配って伊勢神宮への信仰を勧めたと言います。
このお札を祀るために神棚が作られて行ったのです。
当社は簡単に設置が出来る神棚を販売しています。
https://www.hori-masa.net/shop/products/list.php?category_id=41
神道の神棚と仏教の仏壇 何が違うの?
「神様仏様」という言葉があります。
目に見えない存在を畏怖し敬うことを「宗教」と呼びますが、日本の宗教と言えば、この神様と仏様を置いて他にはないでしょう。
日本では古来より自然に対する信仰が行われており、この世界の山、森、木、水、川、海、岩など、あらゆるものに霊性や神性が宿ると考えられていました。今でも神社は山や森や海に多く、ご神木や磐座(いわくら)にしめ縄がかけてあるのを見かけます。
こうした自然への信仰を目に見える形にしたのが神社であり、毎日家で礼拝できるようにしたのが神棚だと言えるでしょう。
神棚には神社に祀られるさまざまな神様を祀り、仏壇には家の宗派の本尊(釈迦如来や阿弥陀如来などの仏様)やご先祖様を祀ります。
神様の宗教である神道が日本古来の宗教であるのに対し、仏教はインド発祥の宗教です。チベットや中国や朝鮮を経て、6世紀半ばに日本にやってきます。
明治時代になって「神仏分離令」が出されるまで、日本人は、日本古来の神道と、外からやってきた仏教を上手く融合させて社会を築いてきました。「神仏習合」という言葉は、まさにそれを物語っています。
一社造と三社造
神棚には、一社造と三社造があります。
神棚には神社から授かったお札を納めて祀りますが、基本的には次の3つのお札を祀ります。
①神宮大麻(いわゆる「お伊勢さん」のお札)
②自身が住む地域の氏神様
③自身が参拝した神社のお札
一社造の場合は、神様のお札を納める扉が1つです。
三社造の場合は、神様のお札を納める扉が左右にもあり、3つです。
一社造の場合は、一番手前に①「神宮大麻」、次に②氏神様、一番奥に③自身が参拝した神社のお札、という具合に、前後に重ねてお祀りします。
一方、三社造の場合は、中央に①「神宮大麻」、向かって右に②氏神様、③向かって左に自身が参拝した神社のお札の順に納めます。
一社造と三社造のどちらを選ぶかは家の人の自由です。好きな方でお祀りしましょう。
神棚を設置するポイント
神棚をこれから設置する場合、どのようなことに注意すべきでしょうか。
1.設置場所
・まず、設置場所が清潔な場所であることです。
・家であれば家族全員が、会社であれば社員全員がお参りしやすい場所を選びます。
・できれば上階がない位置、つまり神棚の上階の部分を人が歩いたり踏んだりしない位置にします。
・それがむずかしい場合には、天界を意味する「雲板(うんばん)」という波の形をした板を神棚に置きます。
もしくは墨字で「天」「上」「雲」などの文字を書いた半紙を神棚上の天井に貼るようにしましょう。
当社の神棚では雲の彫刻や背面に藍染めを施し空をイメージする形になっているので神棚の上には何も必要がございません。
2.設置の方角
方角としては太陽の通り道である南向き、もしくは日の出の方向である東向きがよいとされています(棚を北側に置いて南向きにする、または西側に置いて東向きにする)。
3.仏壇と神棚の設置場所
仏壇と同じ部屋に置くのがよくないという説もありますが、基本的には同じ部屋でも構いません。ただし、次の2つは避けるようにしましょう。
●仏壇と神棚を向かい合わせにしない
仏壇と神棚を向かい合わせにすると、どちらかにお参りするときにもう一方にお尻を向けてしまい、失礼に当たります。家相的にも凶とされています。
●仏壇と神棚を上下にしない
仏壇の真上に神棚を置くと、両者に上下関係を作ってしまいますのでやめましょう。ただし、仏壇は床に置くものですし、神棚は目上の場所に設置するもので、どうしても上下になってしまいます。ですのでそれぞれの中心がずれるように設置しましょう。
もちろん現代の住宅事情では上記の条件を満たすことはなかなかむずかしいかもしれませんが、神様を祀り、お参りする気持ちが大切ですね。
神棚への神具や神饌(お供え物)
神棚へは次のよう神具を用い、お供えします。
- お札
お札は、神棚の扉の中に立てて納めます。
毎年お正月になると、古いお札は神社に帰し、新しいお札を神社から授かり、家の神棚に祀ります。
- 神鏡
神棚の中央には鏡を置きます。
鏡を置く理由として、自身の中に神性があるためなど、そのいわれには諸説あります。
- 榊
木へんに「神」と書くほどで、神道では欠かせない植木です。
榊は榊立てに入れて一対でお供えします。
毎月1日と15日に新しいものと交換しましょう。
- しめ縄
神棚の前方にしめ縄を吊るします。
- 神饌(米・塩・酒・水)
毎日のお供えものには米と塩と酒と水を供えます。
それぞれ専用の器があります。
毎日のお供えが難しければ、1日と15日の月に2回でもよいでしょう。
神棚への礼拝の仕方
神棚に礼拝するときの作法は、神社で行うそれと同じです。
「二礼二拍手一礼」が基本です。
二度頭を下げ、二度手を叩き、一度頭を下げます。
そのあと、手を合わせて、その日一日の感謝や、日々あったことの報告や、神様やご先祖様へのお祈りをします。
葬儀と神棚
神道では死を忌み嫌うために、日本では長い期間、葬儀は仏教の担う役割でした。
身内に不幸が生じると、神棚の前に半紙を吊るして、神棚を封じましょう。
また、葬儀の時は「二礼二拍手一礼」の際、しのび手と言って、音を立てずに手を叩きます。